兼好法師も学んだ学問の故郷
《横浜市金沢文庫》

鎌倉時代の僧侶や武人が足しげく通った当時の図書館、といったほうがわかりやすい。

北条実時が晩年の建治元(1275)年ごろ、鎌倉の本邸から金沢の別邸に移建した文庫。
後、火災で多くの書物を焼失した実時は、ここからトンネルを通じた丘の向こう側に文庫を再建した。
実時の向学心は、その後、4代にわたって引き継がれ、一族をはじめ各地の人々に利用され、文化の貢献に役立ってきた。

「徒然草」で知られる吉田兼好もその一人で、直筆の手紙も残っている。
北条氏が滅びると、文庫は衰退の道をたどるが、蔵書の一部は称名寺により保管され、
現在に伝えられている。

-横浜歴史-